市民会館(仮称)市民文化交流センター 基本計画・設計4
先日、所員全員で建築見学に行ってきました。
市民会館(仮称)市民文化交流センターの基本設計のための視察です。
このような大型施設に携わること少なく、勉強を兼ねて豊中市立文化芸術センターと、兵庫県立芸術文化センターに行きました。
[豊中市立文化芸術センター]
この1月にオープンした施設です。
RM造という鉄筋コンクリート組積造で造られ、柱型がなくシンプルですっきりとした空間です。
石を積み上げたようなヨーロッパの建築と、コンクリート打放しやスチールの手摺といった現代建築の意匠性が組み合わさったような雰囲気でした。
天井にトップライトをスリット状に配置しており、効果的に光を取り入れてます。
陰影により特徴的な石積みの雰囲気がよくでています。
2階は回遊性のあるギャラリーになっています。
ベンチが多く、デザインも床の材質や手摺のスチールに合わせており、気軽に休憩しながら鑑賞できます。
アプローチ部分と建物内のカフェはガラスのカーテンウォールにより一体的に利用できます。
[兵庫県立芸術文化センター]
シンポジウムで副館長の藤村さんが講演してくださった施設です。
外部空間もゆったりしており、人々が座って談笑したり休憩できるベンチが植栽と共に配置されています。
施設と街をつなげる公園のようでした。
エントランスは2層吹抜け空間で、大階段は迫力があり、2階のレストランと一体的空間となっているので人の賑わいの様子がわかりました。
内装を一部木質化していることや、天井が曲面になっていることにより空間が柔らかく感じ取れました。
トップライトや中庭により、明るくて開放的なホールで列柱のデザインが特徴的です。
同じ文化、芸術を発信させる拠点として設計されていますが、やはりそれぞれに特徴があり、この場所で何を伝えたいか、体感してもらいたいか、明確な意図が感じられたような気がします。
どちらの施設もとても素晴らしい建築でした。
今回の市民会館は文化芸術の発信と共に、多機能性を重視している部分があるので、視察に行った施設とは少し設計意図や意匠性が違うものになると思いますが、市民が有益に利用でき、活気のある魅力的な施設になるように、基本設計に取り組んでいきたいと思います。